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『BREAKS』の感想 東京ロケテゲームショウver

Posted on 2012年11月12日月曜日 | No Comments

センス・オブ・ワンダー・ナイト 2012で知って、ずっと気になっていた『BREAKS』をプレイすることができたので、紹介がてら私の感想を簡単にまとめてみたい。プレイしたのは、東京ロケテゲームショウ*1に展示されていたもの。これは開発中のもので、最終的な製品版とは仕様などが異なる可能性がある。

また、プレイ時間が限られていたこともあり(イベント中プレイする人が途切れなかったほどである)、推測や個人的希望、誤認などが含まれている可能性があるので注意してほしい。

*1 2012年11月11日に板橋区で開かれた同人ゲーム、及びインディーゲームの展示会。30のゲームが出展した

東京ロケテゲームショウ特設サイト
https://sites.google.com/site/locate121111/home

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センス・オブ・ワンダー・ナイト 2012 雑感 - 『BREAKS』の記事
http://nydgamer.blogspot.jp/2012/09/2012.html#sown2012_breaks

『BREAKS』ってどんなゲームなの?

簡単に説明すると、ブロック崩しに音ゲーをミックスしたようなゲーム。恐らく「音ゲー」と例えられるのは、開発者としては不本意なのだと思うが(理由は後述)、ここではわかりやすさを優先してあえてこの言葉を使わせてもらう。

ゲームは円型のステージを舞台に、白い球型の自機を操作してプレイする。操作はスライドとスワイプで行い、ステージ上に現れるブロックにボールを当てて破壊していけばよい。1曲終わるまでに規定数以上のブロックを破壊できればクリアとなる。

ボールがステージ外周やブロックに当たると跳ね返るのもブロック崩しと同様だ。ただ、ブロック崩しとは異なり、壁などに当てなくてもボールはある程度自由に操作できるようになっている。また、ステージ外周の白くなっているところ(この場所は自動で移動し続けている)にボールを当てると、ボールがブロックを貫通するようになる。

また、本作では以下のような要素によって、画面とBGMにエフェクトがかかるのが大きな特徴だ。

  • スワイプ方向
  • タッチ数
  • ブロックを破壊したかどうか
  • 自機が破壊されたかどうか

この特徴から、いわゆるインタラクティブミュージックと呼ばれるものの一種と言っていいだろう。音ゲーが目指した演奏のシミュレート体験とは違って、『BREAKS』では自発的に演奏する(パフォーマンスを創り出す)といった方向性が重視されている。

音ゲーでは、行うべき操作とそれによって導かれる結果はあらかじめほとんど決まっている。一方で『BREAKS』では、ある程度自由な操作が許容され、さらに操作によって現れるエフェクトが予期しがたいものになっているのだ。これが『BREAKS』の特色であり、本質的に音ゲーと異なる点だ。

譜面が用意されず、正解となる操作がない音ゲーと言ったらわかりやすいかもしれない。『BREAKS』は今までのどの音ゲーよりも、楽器的だ。弾くのはあなたで、それをどのように弾くかもあなた次第なのだ。

現状のいいところ、悪いところ。そして要望

プレイしてまず感じるのは画面エフェクトの楽しさである。スワイプ時は、指の接地面とボールとの間にエフェクトが発生し、マルチタッチ時は接地面数に応じてエフェクトが増える。これが単純に楽しい。スワイプ操作との相性も頗る良好で動かすだけで楽しい。雰囲気の好みはあれど、間口は広い。
マルチタッチすると、指と指の間があやとりのように線のエフェクトで結ばれる
私はたまたまプレイ中にマルチタッチの存在に気づいたのだが、そのときはかなり気分が高揚したのを覚えている。可能であれば「最初はシングルタッチのスワイプ操作で楽しませて、時間差でマルチタッチ操作に気づかせる」という風なデザインがよいのではないかと思う。

悪いところはBGMの変化がわかりがたい点である。リプレイをすることで見えてくる側面もあるのかもしれないが、ウリとなっている部分をプレイヤーが明確に意識できないというのはやはりもったいない。きっと開発者自身もこの点については把握しているであろうと想像するが。

ボールが失われる条件がイマイチはっきりしないことも気になった。動画で確認したかぎりでは、ブロックが発する赤い帯状のエフェクトにボールが当たるとアウトになるように見える。
自機であるボールが消滅すると
「Left 7 Balls」 というような表示が出て、すぐさま仕切り直しとなる
複雑な操作や難易度の高い操作が、たぶんスコアには結びつかないのではないか、ということも気にかかる点である。『BREAKS』自体が実験的な要素を多分に含んでいるし、スコアを目指すゲームではないのだろう。それでもいかにしてプレイヤーの意欲を引き出すか(だいたいのゲームではこれがスコアなり、クリアなりである)というのは、難しい問題ながらどのように着地させるのか注目していきたい。

ここまで読んできた方は、ひょっとすると「悪いところしか書いてないじゃないか」という印象を受けるかもしれない。しかし、本作は決して悪いゲームという感触ではなかったし、むしろ個人的には果てしないまでの可能性を感じている。プレイする前は半信半疑だったものが、プレイを経て確信へと一歩近づいたという印象である(製品版がリリースされるまでは、評価を下せないとしても)。

そこに込められた心意気も、表現の仕方も実に素敵で、だからこそ、よさを上手く伝えられないのがもどかしい。自身の表現力の拙さを呪わざるを得ない。

リリース予定など

センス・オブ・ワンダー・ナイト 2012のプレゼンテーションでは、『BREAKS』はクリア時のリプレイを簡単にYouTubeなどへアップロードしたりできる、というような発言をしていた。さらに今回、東京ロケテゲームショウの会場で配布されていたマンガつきパンフに目を通すと、BGMの変化を楽曲として保存、共有できるという記述がなされており、期待が膨らむ。

PCテクニカルプレビュー版をコミックマーケット83*2にて頒布予定とのこと。東京ロケテゲームショウで出展されていたのはタブレット版だったが、こちらで頒布されるのは、マウス操作のPC版である。対応OSはWin / Mac。開発エンジンのUnityのリリース状況次第では、Linuxでの対応予定もあるそうだ。

*2 コミックマーケット83の3日目(2012年12月31日)、東2ホールS64-a

マルチタッチも使うあの操作を、マウス操作にどのように落としこむかが気がかりなところだが、こうご期待といったところだろう。そういえば『Child of Eden』みたいなKinect操作とも相性がよさそうだ。

また、第16回文化庁メディア芸術祭に応募しているとのこと。

いまのところ、私はコミケへの行く予定はないのだが、どうにかして入手してプレイしたいと考えている。

情報は主に『BREAKS』公式サイトから発信されると思われる。公式サイトはフルパワーサイドアタックドットコムという非常にカッコいいドメインなので覚えやすいので、ぜひチェックされたし。

『BREAKS』公式サイト
http://fullpowersideattack.com/

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