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インディーゲームの小棚:Shelf#08『ナイトガイスト』

Posted on 2013年4月17日水曜日 | No Comments


連載10回を迎える間もなく、3週連続で休載してしまった筆者がお送りする「インディーゲームの小棚」第8回は、デッキ構築型のカードゲーム『ナイトガイスト』を紹介する。不定期連載にしてもいいような気もするけど、それやっちゃうと絶対更新しなくなるという罠。

※本連載「インディーゲームの小棚」は、4Gamerで連載されている「インディーズゲームの小部屋」のタイトルとコンセプトを真似たものですが、「インディーズゲームの小部屋」との関連は(私が一方的にファンであるというだけで)一切ございません。

4Gamer - インディーズゲームの小部屋
http://www.4gamer.net/words/001/W00176/

開発は丈・ふらっ子氏。第三回ウディフェス*1に出展している。

*1 WOLF RPGエディター製のゲームが集まるオンラインイベント。近しいイベントとしてWOLF RPGエディターコンテスト(通称、ウディコン)が挙げられるが、ゲーム内容を競うウディコンとは異なり、投票や順位発表といったものはない。よりお祭りという感覚の強いイベントと言ってよいだろう

ゲームはデッキ構築型と呼ばれるカードゲームの形を採っている。デッキ構築型と言えばボードゲーム『ドミニオン』が代表格だが、『ナイトガイスト』のゲームプレイも実際のボードゲームをビデオゲームとして落とし込んだような印象だ。『ドミニオン』をプレイしたことのある人なら理解もたやすいだろう。

操作はすべてマウスで行う。マウス左ボタンで決定、マウス右ボタンでキャンセル、またはメニューを開くことができる。1ゲームかかる時間は15分~20分程度。

本作は人間と魔物の軍団の激突を描いており、プレイヤーは人間側にあたる。ゲームはターンベースで進行し、毎ターン自軍の戦力を整えながら魔物軍の侵攻を凌ぎ、最終ターン(基本は20ターン)まで攻撃に耐え切れば勝利だ。ターン開始時にダイスによって決定する魔物戦力(敵軍の戦力)に対し、自陣に兵員を展開してそれを迎え撃つというのが基本的なターンの流れ。
終盤は魔物戦力決定用のダイスが6個となり、かなりの戦力を成す
自軍戦力はターン開始時に配られる5枚のカードの総戦力で決定するが、そのままでは魔物戦力に太刀打ちできないことも多いので、以下の3つのアクションをすることで自軍戦力を拡張していく。
  1. 「サプライエリア」からの兵員展開(供給)
  2. 自陣に展開された兵員による能力行使
  3. 「士気」を使用しての兵員補充
「サプライエリア」はこれから自軍に加えることのできる兵員たちが並んでいる。ここから毎ターン1枚だけ入手して、自陣に展開することができるのだ。自陣に展開した兵員の戦力は総戦力に加算されるため、毎ターン4枚のカード(初手の3枚とサプライエリアから入手できる1枚)まではノーコストで兵員を展開可能ということになる。
カードの左側に書かれた剣のアイコンのマークの下の数字が、そのカードの戦力
《騎士》の場合は戦力3だ
能力行使によって戦力を拡充することもできる。能力にはカードの入手上限を増やすもの、カードを引けるもの、「士気」を上昇させるものなどがある。ただし、能力行使できるのは自陣に展開された兵員の能力だけとなっている。とはいえ、デメリットのあるものはあまりないので、気軽に使っていけるのが魅力だ。
一部能力のないカードもある
《流浪の剣豪》は能力がない代わりに戦力がバカ高い
能力には特定の条件でのみ発動できるものも存在する
《預言者》はゲーム後半向き
さらにそれでも戦力が足りなければ、「士気」を1消費することで山札からカードを1枚引いて、自陣に展開してもよい(式の初期値は10)。士気は重要なリソースで、0になるとその時点で敗北となる。さらに自軍戦力が魔物戦力を下回った状態で戦闘した場合は、戦力差分だけ士気を失ってしまうので、自軍戦力が十分ならば士気を消費してカードを引く必要性は(ほぼ)ない。

ターンが終了すると自陣のカードはすべて捨て札へと移されて、次のターンになる。また、デッキ構築型ゲームの例に漏れず、山札を引ききった瞬間に捨て札をシャッフルして、これを新たな山札とする。このため、「サプライカード」からの兵員補充はのちのちのゲーム展開にも影響を及ぼす。ほかのカードとの相乗効果(いわゆるコンボ)などを考えて選択していこう。

『ナイトガイスト』では山札が空になったときに、山札に《難民》というカードが1枚紛れ込むようになっている。このカードはまったく役に立たない邪魔なカードとなっており、これがプレイヤーの進行予定を狂わすちょっとしたスパイスになっている。
《難民》は戦力0で、能力もないという完全なる無駄カード
と長くなったが、ここまでがおおよその本作の流れである。

1人プレイ専用ということでやや『ソリティア』っぽさがあるのは否めないが、ゲーム後半に顕著な自陣にカードがたくさん並んでいくコンボ感、インフレ感、コンボや今後のゲーム展開を考えた「サプライエリア」からの兵員補充、ライフである士気を使ってのカードドローなど、カードゲームらしい楽しさをたっぷりと味わえる。

初級、中級、上級のほかに、さらなる高難度である混沌も用意されており(ランダム要素が強いがクリアできないほどではなく、安定してクリアできる調整ではある)、この手のゲームに馴染みがない人から慣れ親しんだ人まで気軽にプレイできる。『ナイトガイスト』は第三回ウディフェスのページから無料でダウンロード可能だ。
どこまで詰めた内容かは不明ながら、スコアアタックもできる
第三回ウディフェス(2013年)応募作品 - ウディフェス
http://hinezumi.velvet.jp/wodifes/contents/pastworks/2013/pastworks_2013.php
※『ナイトガイスト』は59にエントリーされている

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