インディーゲームの小棚:Shelf#11『Lens』
Posted on 2013年10月9日水曜日
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INDIE STREAMにて「インディーズゲームの小部屋」の中の人に会うことに成功した筆者がお送りする「インディーゲームの小棚」。久方ぶりの更新となる第11回は『Lens』を紹介する。ついに本家の人にこのコーナーを認知させることができたのは(きっともう忘れてると思うけど)、INDIE STREAMでのうれしい誤算であった。
開発はカリフォルニア大学サンタクルーズ校の学生チームで、ゲーム起動時の表示やトレーラーの投稿時にはOut of Focus Gamesの名を用いている。公式サイトによると、20名強が開発に携わっているようだ。ゲームエンジンはUnityを採用。Unity Awards 2013では、Best Student Project部門において入選(Runner-ups)を果たしている。開発者たちは『Myst』が大好きということで、作中からその息吹をどこかで感じるプレイヤーもいるかもしれない。
Unity Awards 2013
https://unity3d.com/awards/2013/winners
ゲーム内容はと言うと、いわゆるFirst Person Puzzlerと呼ばれる一人称視点のアクションパズルゲームである。操作はFPSの基本的なそれに準じている。ゲームの舞台は不思議な古代技術の眠る打ち捨てられた島で、古代技術のなかにはタイトルにもなっている「Lens」も含まれる。このLensの力を使いながら、この島の謎を解いていくというのが本作の内容だ。
本作の根幹を成しているLensには、2つの異なった世界を結びつけるゲートのような力がある。
Lens入手後にQを押下するとLensを起動でき、起動したLensはプレイヤーの視界をほぼ覆うように前面に展開する。するとこれによってプレイヤーはLens越しにもうひとつの世界を見ることができるのだ。舞台となっているのは荒廃した島なのだが、Lensを通して見れば繁栄の続くもうひとつ(過去?)の島の風景が見られるという具合だ。
さらにLensはもうひとつの世界を見る力だけでなく、互いの世界の構造物をもうひとつの世界に送り込む力も持っている。道を塞ぐ瓦礫をもうひとつの世界に送り込んで排除すれば、こちらの世界の道を切り開くことができるし、足場のない場所に足場を作り出すことも可能だ。こういったLensの能力を駆使して、島に活気を取り戻していこう。
『Lens』で描かれている世界は、『ゼルダの伝説』シリーズにたびたび登場する「闇の世界」を想起させる。ほとんど同じ場所なのに、相反する2つの世界が同時に存在し得るという形だ。『BioShock Infinite』の「ティア」やLilly Looking Through』の不思議なゴーグル*1にも近いものがあるかもしれない。とりわけ『Lens』がユニークなのは、潜在的に存在するもうひとつの世界をリアルタイムにLens越しで確認できること(しかもプレイヤーがそのまま移動しても構わない)、そしてそこに干渉できる(物を移動させられる)ということだ。
*1 本ブログ過去記事参照のこと
Kickstarter My Heart 『Lilly Looking Through』
http://nydgamer.blogspot.jp/2012/06/kickstarter-my-heart-lilly-looking.html
プレイ時間はクリアまで1時間程度と短く(迷っても2時間くらいだと思う)、パズルもそこまで難しくはないものの、Lensを通じて体験する世界は単純な仕組みながらもやはり魅力的だ。First Person Puzzler好きはぜひ(そうでないひとももちろんなのは言うまでもなかろう)という感触のゲームだった。
残念な点としてラストは一瞬スタックしたかのような挙動になってしまうのが勿体なかった。プレイ動画をアップしている人が困惑しているのも見かけたので、筆者だけではないと思う。スタックではないので安心してほしい。詰まる人が多いと思うので、以下にヒントを書いておく。
「今までしなかった操作で、かつこれまでの操作の延長線上にあるもの」がヒントだ。
『Lens』は公式サイトで無料で公開されている。Windwosのほか、Macにも対応している。
『Lens』公式サイト
http://www.lensthegame.com/
開発はカリフォルニア大学サンタクルーズ校の学生チームで、ゲーム起動時の表示やトレーラーの投稿時にはOut of Focus Gamesの名を用いている。公式サイトによると、20名強が開発に携わっているようだ。ゲームエンジンはUnityを採用。Unity Awards 2013では、Best Student Project部門において入選(Runner-ups)を果たしている。開発者たちは『Myst』が大好きということで、作中からその息吹をどこかで感じるプレイヤーもいるかもしれない。
Unity Awards 2013
https://unity3d.com/awards/2013/winners
ゲーム内容はと言うと、いわゆるFirst Person Puzzlerと呼ばれる一人称視点のアクションパズルゲームである。操作はFPSの基本的なそれに準じている。ゲームの舞台は不思議な古代技術の眠る打ち捨てられた島で、古代技術のなかにはタイトルにもなっている「Lens」も含まれる。このLensの力を使いながら、この島の謎を解いていくというのが本作の内容だ。
主人公は、船に乗って島に戻ってきたひとりの学者 |
Lensと似た効果を持つ鏡のような形状のゲートもあり、 これを通過するともうひとつの世界に一時的に入り込める |
Eでインタラクション。序盤の謎解きは比較的普通の内容 |
Lens入手後にQを押下するとLensを起動でき、起動したLensはプレイヤーの視界をほぼ覆うように前面に展開する。するとこれによってプレイヤーはLens越しにもうひとつの世界を見ることができるのだ。舞台となっているのは荒廃した島なのだが、Lensを通して見れば繁栄の続くもうひとつ(過去?)の島の風景が見られるという具合だ。
荒れ切った島の風景も…… |
Lens越しには華やかな情景が広がる |
先に進もうにも足場がないが…… |
Lensを使うと、もうひとつの世界に足場があるのが見える 足場に視点を合わせカーソルが変化したらマウス左ボタン |
あちらの世界から、こちらの世界に足場が移動してきた |
*1 本ブログ過去記事参照のこと
Kickstarter My Heart 『Lilly Looking Through』
http://nydgamer.blogspot.jp/2012/06/kickstarter-my-heart-lilly-looking.html
プレイ時間はクリアまで1時間程度と短く(迷っても2時間くらいだと思う)、パズルもそこまで難しくはないものの、Lensを通じて体験する世界は単純な仕組みながらもやはり魅力的だ。First Person Puzzler好きはぜひ(そうでないひとももちろんなのは言うまでもなかろう)という感触のゲームだった。
ゲーム中のテキストは少なめ 進行に応じてページが増えるジャーナルで、世界観の理解を深めることができる |
「今までしなかった操作で、かつこれまでの操作の延長線上にあるもの」がヒントだ。
『Lens』は公式サイトで無料で公開されている。Windwosのほか、Macにも対応している。
『Lens』公式サイト
http://www.lensthegame.com/