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インディーゲームの小棚:Shelf#09『Henry Attacks!』

Posted on 2013年5月1日水曜日 | 4 Comments

明日に迫ったPC版『Fez』のリリースを心待ちにしている筆者がお送りする「インディーゲームの小棚」第9回は、2Dと3Dの世界を切り替えつつ進むアクションゲーム『Henry Attacks!』を紹介する。「頭の切り替え」なんてよく言いますけど、そういうのが苦手な筆者のような人は「マルチタスク人間だ」と言い張っていきましょう。

※本連載「インディーゲームの小棚」は、4Gamerで連載されている「インディーズゲームの小部屋」のタイトルとコンセプトを真似たものですが、「インディーズゲームの小部屋」との関連は(私が一方的にファンであるというだけで)一切ございません。

4Gamer - インディーズゲームの小部屋
http://www.4gamer.net/words/001/W00176/



『Henry Attacks!』はロシアのデベロッパMechanical Starlingによるアクションゲーム。ゲームの目的は、とにかくマップの上方を目指すこと。そこかしこに落ちている銃器やアイテムを拾ってプレイヤーキャラクターのHenry(かどうかはわからないが、便宜上Henryということにしておく)を強化しながら先へと進んでいこう。

ユニークなのは、マップを2D表示と3D表示とに切り替える機能があることだ。この機能はYボタンを押すことでいつでも使用でき*1、一見行き止まりに見える場所をこの表示切り替えを使って進むのにが基本となる。

*1 Xbox 360コントローラーに対応。アナログスティックには対応しておらず、キャラクターの移動は方向パッドで行う。
例えばゲーム冒頭の青いバーで遮られている場所で3D表示に切り替えると……
道を塞いでいた青いバーが画面手前側に表示され、先へと進めるようになる
一見足場がないこんな場所でも……
2D表示に切り替えると、
手前側(先の写真、右下部分)にあった足場が目の前に現れる
また、Henryに次々と襲い掛かってくる敵たちの移動範囲も画面表示に依存するため、この切り替え機能をうまく使うことで敵を撒いたり、閉じ込めたりもできる。マップが完全固定であるため、プレイの新鮮さは徐々に失われていくのだが、一方で敵の出現は完全固定ではなく、プレイヤーには状況に合った対応が求めら、飽きないように工夫がされている。
開けた空間があれば、3D表示で敵をやりすごしたりできる
ランダムという点で言うと出現するアイテム類もプレイを豊かにしている。はじめは非力なハンドガンで進んでいくHenryだが、貫通効果のあるマグナムや着弾時の爆風が強力なバズーカ、近接戦闘向きのチェンソーなど個性豊かで多彩な武器が用意されており、それらを使いこなす楽しさがある。なお、武器は一度に1種類しか持つことができない。

アイテム類はライフを回復する食べ物系のほか、Henryに特殊な能力を付加する帽子系(B
ボタンで装備)、ジャンプ力やライフを増強するもの、シールド(実質ライフ2倍)などがある。アイテムの入っている金庫を開けるための鍵、エレベーターを使うためのお金といったように、単体では意味を成さないアイテムもある。

先述のようにマップは完全固定で、さらにリアルタイムで操作を要求するアクションゲームなのだが、ランダムに現れる武器やアイテムを駆使して、先へ先へと進んでいく感覚はローグライクのそれに近い。たまに現れるやたら強力なアイテム(ジャンプが浮遊になり、どんどん高所へ上昇していける帽子、自動追尾武器のfirefliesが筆頭)もその感覚を後押ししている。

惜しむらくは、リトライがステージの最初からなことだろう。

本作の難易度は決して低くなく、どうしても同じ場面の繰り返しになりやすい。いくらランダム要素で状況に「ゆれ」を作り出しても結局のところ、見栄えはあまり変わらず、プレイヤーが上達している手応えがやや薄い。開発へもそういった要望がいくつか届いているようでアップデートも検討しているようだ。今後に期待したい。
2Dと3D、両方の表示が用意されているアイテム類のグラフィックがかわいらしい
公式サイトにはハイスコアランキングが掲載されている。登録は自動ではなく、プレイヤーがゲーム上でデータを送信する必要がある。ちなみに筆者はかつてトップランカーだったのが現在は6位へと転落してしまった。

HIGH SCORES - 『Henry Attacks!』公式サイト
http://henryattacks.com/Highscores/Highscores.php
『Henry Attacks!』はDesuraで無料で配信されているほか、公式サイトからも無料でダウンロードが可能(元は有料ソフトだった)。シンプルながら驚きのある仕掛け、歯ごたえのあるゲームプレイと魅力的な部分も多いのでぜひプレイしてみてほしい。

『Henry Attacks!』公式サイト
http://henryattacks.com/
『Henry Attacks!』 - Desura
http://www.desura.com/games/henry-attacks
Mechanical Starling公式サイト
http://mechanicalstarling.com/

別サイトでの『Henry Attacks』の紹介記事
Henry Attacks! - またたび屋敷
http://matatabi-yasiki.blogspot.jp/2013/04/henry-attacks.html

Comments:4

  1. おお、Fezってやっと発売になったんですね。最近ずっとGGG(ここは資金調達の方法、運営の方法が大手にマネできないことをやっているIndieDeveloper。大手には「他人に理由を説明できることしかやってはいけない」しばりがあるため。そのため万人向け・すでに発見されて存在がわかっているニッチ向けのGameしか作れないし、そうしたGameはGamerにはテロップのついたバラエティ番組みたいでつまらない)のPoE(ものすごい1playのサイクルが長いRogue-likeハクスラ。Gamerでない人のために死んでも続きができるモードもあり。またRaceといって制限時間でどこまで進めるかを世界中のplayerと同時にリアルタイムで競うモードもあり、Rogue-likeをマルチでリアルタイムに競うとアホみたいに楽しいということを示したGame)、そして昨日launchのNeverwinter(MMOのインスタンスって、RPGツクールみたいに誰もが作れて、それをゲーム内で公開できたら面白いよね?と誰もが考えることを本当に実現したゲーム)に忙しく、steamをロクに起動しない日々が続いていたのでFez発売のニュースはほんとうに嬉しかったです。教えてくださってありがとうございます。

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    1. 私はハックアンドスラッシュは苦手で、『Path of Exile』もベータのときに少し触って投げ出してしまったのですが、根強い人気があるようですね。『Fez』はついにリリースという感じなのですが、思ってたのとちょっと違っている部分があったり、これはこれで味があったりとなかなか捉えるのが難しいゲームですね。過剰に期待していなかったら感想も変わっていたかとは思います。どうにかクリアしてみたいな、とは思っています。

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  2. ハイスコアを手動で送らなければならないというのは気づきませんでした。
    こんなに面白いゲームなのに、ちょっとプレイしてあっさり4位を取れるぐらい過疎なのが寂しいところです。

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    1. 周囲に『Henry Attacks!』をプレイしている人がおらず、しかも有料だったのが無料になったにもかかわらず、「おもしろい」という気持ちを共有できる人がいないのでいつも残念に思っていました。同じくおもしろいと感じる人がいるとなんだかうれしいです。

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