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インディーゲームの小棚:Shelf#02『McDROID』

Posted on 2013年2月6日水曜日 | 2 Comments

辛いことがあると「前世でものすごく深い業を背負ったのではないか」と、某同人ノベルゲームの影響をうかがわせる思い込みが渦巻く筆者がお送りする、「インディーゲームの小棚」の第2回はElefantopiaの『McDROID』を紹介する。

※本連載「インディーゲームの小棚」は、4Gamerで連載されている「インディーズゲームの小部屋」のタイトルとコンセプトを真似たものですが、「インディーズゲームの小部屋」との関連は(私が一方的にファンであるというだけで)一切ございません。

4Gamer - インディーズゲームの小部屋
http://www.4gamer.net/words/001/W00176/

『McDROID』は、タワーディフェンスと呼ばれるストラテジーゲームに属する。タワーディフェンスは、波状攻撃を仕掛けてくる敵の大群を相手に、タワーと呼ばれる迎撃兵器を設置して、本拠地を守るというゲームだ。比較的歴史の浅いゲームジャンルなものの、評判の高い『Defense Grid: The Awakening』を筆頭に、FPSと組み合わせた『Sanctum』、RPGライクな成長&カスタマイズ要素を付加した『Defender's Quest』など、他ジャンルとのハイブリッドタイトルの開発も盛んなジャンルだ。

基本的なルールは既存のタワーディフェンスに準ずる。圧倒的物量による敵の猛攻を、知略を駆使した迎撃態勢を敷いて凌ぎきればよい。本拠地が破壊されてしまうと、その時点でゲームオーバーとなる。『McDROID』ではロボットと呼ばれる自機を操作する。自機は迎撃兵器の設置ができるほか、フィールドを歩きまわって戦況を確認したり、資金となるイチゴを集めて運搬することができる。自機が破壊された場合はゲームオーバーが待っている。

タワーディフェンスにおけるタワーは、武器の種類こそ数あれど、固定砲台なのが普通だ。しかし、本作ではタワーの武器が取り外し可能で、自機とタワーが同じ武器を使える点が大きく異なる。武器をタワーに設置し固定砲台として迎え撃ってもよいし、自機に武器を取りつけて移動砲台として積極的に攻勢にうって出てもよいというわけだ。状況に応じて1箇所に武器を集めて局所的に火力を上げるといったような柔軟な対応が求められる。また、タワーは敵の攻撃を受け続けると破壊されてしまうため、適宜タワーの様子を見て回り、修理しなければならない(自機がタワーに接近すると自動で修理可能)。
最初のステージでは、最初は左、次に右から攻めてくる敵を、武器を付け替えて迎撃する
マシンガンやミサイルといった武器のほか、自機についてまわる小型のロボット(中央やや左)も登場する
タワーの設置に資金が必要だったり、資金を使ってタワーを強化できるといった点も、一般的なタワーディフェンスと一緒である。ただし、敵を倒しても資金を得ることができないのは注意が必要だろう。資金はフィールド上にあるイチゴを回収し、本拠地に持ち運ばなければ得ることができないのだ。なお、イチゴは時間経過によって育ち、成長が終わると茎から離れ、ここまで来て初めて入手できるようになっている。チュートリアル以外では、あらかじめイチゴの種を植える必要がある。種には限りがあり、植えられる場所も決まっているので計画性が重要だ。

以上のように迎撃態勢を整えるためには、あちこちを奔走してイチゴを集めたり、武器を設置したりしなければならず、なかなか忙しいゲームプレイに仕上がっている。タワーディフェンスを含むリアルタイム制のストラテジーらしい忙しさ、そしてそれを克服したときの達成感を味わえる。

さらにおもしろいのは、Bonsaiと呼ばれる武器の存在。Bonsaiは武器として購入でき、アップグレードできるものの、一切攻撃ができない。その代わりにBonsaiの効果範囲内にあるほかの武器は性能が向上し、さらに高い火力を叩き出すことができるようになっているのだ。加えてBonsaiの効果範囲内ではイチゴの成長速度が上がるため、資金を早く集めることが可能になる。また、フィールドに点在するダメージエリア(エリア内にあるタワーや自機にダメージを与える)もBonsaiの効果で無効化できる。このように本作のシステムにおいてBonsaiは非常に重要なポジションを占めており、これが独特のプレイ感覚につながっている。
Bonsaiの影響範囲は、地面が青っぽいエフェクトで覆われる。
とはいえ、基本的なプレイ感覚はまさしくタワーディフェンス。画面を覆い尽くす敵の大群に、それを迎え撃つ凄まじい量の弾幕といったタワーディフェンスの持ち味に、自機の移動や武器の取りつけと取り外し、それにBonsaiの存在がアクセントとして効いている。

この手のゲームではお馴染みとなっている高難易度のモードも収録されているが、プレイの幅は狭く、レベルデザインはまだまだ発展途上という印象が拭えない。記事執筆段階の『McDROID』はベータ版であり、現在も精力的にアップデートが重ねられているので、この不満が今後改善されていくことを望みたい。開発によると、ドロップイン方式の協力プレイに対応しており、クロスプラットフォームにも対応予定があるとのこと。
敵と弾幕、そしてそれらのエフェクトなどで埋め尽くさせる画面
攻撃範囲を指定したりできるカーソルが見えにくいのはマイナスポイント
敵を倒したりすることで出現するクリスタルを集めると、
高次の武器をアンロックしたり、強力な消費武器を購入できる
上述のように現在リリースされている『McDROID』はベータ版の状態にある。同作は、公式サイトのほか、Desuraで購入が可能でデモ版も公開されている。価格は$14.99。また、今ならIndie Game StandにてPay What You Want方式で購入も可能だ*1

*1 Indie Game Standは、4日ごとに日替わりでインディーゲームが登場し、Pay What You Want方式で販売する(つまり任意の価格で購入できる)サイト。『McDROID』は日本時間で2013年2月9日14時まで購入できる

『McDROID』公式サイト
http://www.mcdroidgame.com/
Desura - 『McDROID』のページ
http://www.desura.com/games/mcdroid
Indie Game Stand
https://indiegamestand.com/

Comments:2

  1. とても面白そうですね。
    TD好きなのでワクワクしながら読み進めました。
    前に取り上げられていたDefender's Questもとても長く楽しませて頂いております。
    ありがとうございます。

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    1. こちらこそ、お役に立てたのなら光栄です。

      Twitterではチラと話したのですが、
      『Defender's Quest』はTDの皮をかぶったRPG、
      『McDROID』はTDの皮をかぶったアクションという印象ですね。
      もちろん、両者ともTDの味わいはあるのですけれども。

      『McDROID』に関しては記事中でも触れたとおり、
      まだまだ発展途上かなという感触です。
      とはいえ、期待できる部分もたくさんあるので
      まずはデモからプレイしてみることをオススメします。

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