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テングダケの毒とその対処

Posted on 2012年4月21日土曜日 | No Comments

やはり物議を醸すことになってしまった「The Humble Botanicula Debut」


今回の経緯

ダウンロード販売サイトで『Botanicula』の予約販売が行われていたにも関わらず(価格はおよそ$10)、事前の報告もないまま、同作のほかに過去作やサウンドトラックを含むバンドルがPay What You Wantで発売日初日に登場したためだ。

「SteamよりもGamersGateのほうが安く売られていた」とか「発売からまだ1ヶ月も経っていたいのに半額セールが来やがった」とかに似ているが、実際は「楽しみにしていた作品を予約購入したら、発売初日にただ同然で配られていた」のであって、予約者に限って言えばそれらより程遠い感覚を抱く人がほとんどだろう(予約購入者の僻みと言われればそれまでだが)。

予約購入者の多くは開発なり作品なりのファンであるわけで、開発自らその気持ちに水を差す形となった。


Amanita Designほか、各社の対応

もちろん、事態を重く見たAmanita Designも動く。以下が同社公式ブログに掲載された謝罪文の引用(ちゃんと読みたい人は原文のほうを読んでね)*1

[原文]
Apology to Botanicula pre-orderers

We want to apologize to everybody who pre-ordered Botanicula on GOG.com and GamersGate and now is upset because there’s a bundle for any price. We haven’t much time to take care about business and logistics in last few weeks because we were hard at work on the game fixing hundreads of bugs etc. so we made a mistake and let GOG and GG make pre-orders. We simply didn’t think about it and about the consequences, sorry for that. All the pre-orderers should receive some free bonus stuff from GOG and GG in upcoming hours or days. The bonus bundle will include Machinarium, full Botanicula Soundtrack and Botanicula art book which wasn’t released anywhere else yet. I hope it’s not that terrible deal for $9 you paid to support us so we can continue making independent games, we are very grateful for that!

[だいたいの意味]
Botaniculaの予約販売に関する謝罪

GOG.comやGameresGateでBotaniculaを予約購入していただいた皆さんが、好きな値段で購入できるバンドルに対して憤りを感じていることに謝らせてください。発売前の数週間、我々は多数のバグフィックスなどに追われており、取引(business)や物流に関して多くの時間を割くことができなかったため、GOGやGGで予約購入していた方々に対して過ちを犯してしまいました。そのことについて単純に考えが及びませんでした、申し訳ありません。GOGとGGの予約購入者の皆様には数時間から数日のうちに無料のボーナスコンテンツを受け取るべきだと考えています。ボーナスバンドルはMachinarium本編、また未リリースであるBotaniculaのフルサウンドトラックとアートブックです。我々がインディーズゲームの開発を続けられるようにサポートいただいた皆様の$9が失敗だった(terrible deal)と思ってほしくありませんし、それに対し言い尽くせぬ感謝を感じています。

というわけでGOG.comやGameresGateで予約購入していた人は、ボーナスコンテンツが月曜、2012年4月23日までには届くそうな(どうやらPLAYSIM版も同様の対応が行われる模様*2)。これでは不満という人もいるだろうが、まだリリースされていないアートブックもつくし、ここらへんが限界かなという気はする。

GOG.comでは、予約購入した人たちが「不当な扱いを受けた」と感じないように、またそれを確認する意味も込めて『The Witcher: Enhanced Edition Director’s Cut』の無料コピー版を提供するとのことだ*3

*1 引用元のブログ記事 http://amanita-design.net/blog/2012/04/20/apology-to-botanicula-pre-orderers/
*2 >>http://playism.blogspot.jp/2012/04/botanicula.html 言葉選びが慎重ではあるが、Humbleの埋めわせであるのは間違いないだろう
*3 >>http://www.gog.com/news/gogcom_gift_to_botanicula_owners GOG.comの運営は『CD Projekt

バンドル収録の映画『Kokky』のトレーラーを見るとおもしろそうなんだよなぁ
ほとんどの人はそりゃできればゲームは安く買いたいわけで、憤りを覚えるのは当然だと思う。

Amanita Designのゲームはそれこそ作品という風合いが強く、ほかにはない魅力を持っているため、今回の件で大きく評価を下げてしまった(と思われる)のが残念でならない。「Amanita muscaria」は「ベニテングダケ」のことだけど、ファンやデベロッパ自身を傷つけるような毒にならないことを願います。

「ウールで作ったきのこ」画像について

記事中で使った「ウール製きのこ」の画像がなんだかかわいらしかったのでリンク貼っておきますね。

・ビン入り黄色テングダケ
http://mnartists.org/uploads/users/user_20556/fb936a35c54316bc91f12b599125c7d4/fb936a35c54316bc91f12b599125c7d4.jpg
・ベニテングダケ1
http://mnartists.org/uploads/users/user_20556/81e39a6cecc4f2203f40d9f0bf5ade2b/81e39a6cecc4f2203f40d9f0bf5ade2b.jpg
・ベニテングダケ2
http://www.flickr.com/photos/lilfishstudios/4935870712/sizes/o/in/photostream/


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